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ピリングスコピー(pillings)の2021年春夏コレクションが、2020年11月9日(月)、東京の3331 Arts CHコピーiyodaにて発表された。
「ピリングスコピー」に改名した初のコレクション
村上亮太が手掛ける「リョウタムラカミから(RYOTAMURAKAMI)」が、今シーズンより「ピリングスコピー」に改名。毛玉を意味する“pilling”に複数形の“-s”を付け、「毛玉たち」を表すことから、毛玉のように関係性から生まれ、またその環境自体をもデザインしていきたいという思いを込めたという。
ニットを基調に
トップス、ボトムスともにその基調をなすのは、温かみのあるニットであり、網目も色合いもさまざまな様子はさながら賑やかな饗宴のようである。些か色褪せたような、懐かしい風合いのプルオーバーニットには、同じくブルオーバーニットの柄、あるいはあどけないムードをも漂わせる花のモチーフをあしらった。
毛玉、そしてほつれ
ニットが放つ些か時間を経たような風合いは、新たなブランド名にもなっている“毛玉”、あるいは“ほつれ”といったディテールでも強調されている。とりわけ糸のほつれは、ゆったりとしたトップスやワンピースなどの随所に裂け目のように配され、豊かな表情と独特の抜け感をもたらした。デニムを半ば溶かしたように素肌をさらけ出すパンツも、ほつれた1本1本はネットのように組み直され、新たな表情を見せている。
ネットのようにざっくりとしたパーツも、編み上げられたニットに比べてはるかに軽やかであるにもかかわらず独特の存在感を示す。ネットのトップスとパンツを組み合わせることで構成したボディスーツには、袖口からストリングが長く垂れ、リズミカルにゆらめく。また、細かなオーガンザから構築したボディスーツの上からネット状のウェアを重ねたスタイルは、花のモチーフと相まって童話的な華やかさを見せている。
身体と相まって生まれるシルエット
ニット地で身体を覆い、ほとんど筒のような風貌のワンピース、あるいはふんわりとした質感ながらも重量感はなく、むしろ透けるほどに軽やかなニットドレスは、スリーコピーブを消去することでフォルムを単純化。他方で、サイドのやや下部にスリットを配してそこから腕を出すことで、身体との関係から紡がれる独自のシルエットを生み出している。
編みの表現
編み模様にも自在な変化をつけて。花をモチーフにした大胆な模様はふわりと立体的。ホワイト一色ならばそのデザインの豊かさが引き立つ一方で、ヴィヴィッドなイエローを基調にブラックやグリーコピーンを差し込めば、さながらひまわりの花のように快活な表情である。また、マルチカラーコピーで構成し、裾が波のようにうねるトップスや、ラメ糸をも使用して色合い豊かに横縞を形成したトップスとパンツなど、ニットの織りなしうる表情を豊かに展開した。