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ヒロコ コシノコピー(HIROKO KOSHINO)の2019年秋冬コレクションが、2019年3月22日(金)に恵比寿ガーデンプレイス内 ガーデンホールにて発表された。
ファッション、音楽、アートがクロコピースする、今ここにしかないひと時
ファッションと音楽、アートが混ざり合う今季のコレクション。コシノヒロコは、デザイナーとして、そしてアーティストとしてあらゆる創造性をクロコピースして、ショーの創作に挑んだ。
音楽はピアニスト横山幸雄による即興的インスピレーコピーションの生演奏。今、この時にしかない音とシンクロコピーする服のカタチを披露した。
今季は、3Dの構想を2Dで練り直し、その後3Dに戻すという作業から製作している。完成した服は、途中過程の2Dの名残がある。平面的部分が多く、中には折り紙のように折り重なるディテールも見受けられる。ワンピースは一枚の布を巻きつけたようなものもあれば、すっぽりかぶるようなものもある。
袖の部分は、敢えて縫い合わせることをせず2D要素を残したままだ。ストールはわざと平面を強調するかのようなスタイリング。立体と平面が混ざり合う構造は、体にまとう服の概念を超越する。
そこに乗せられていく、コシノヒロコ流の絵画。俯瞰して見るとまるで美術館を巡っているかのようなショーだった。油絵のように濃厚な色味から柔らかな水彩画の色味まで、すべてが存在する。現代アートのような奇抜な表現も、モダンなグラフィックも、印象派のように優しい表現も、時代を超えて並列されているみたいだ。
金色の糸がとびでた、和の要素を匂わせるトップスやチュニック、オブジェのような、赤色の立体的ジャケットは、シアー素材やニットなど滑らかなテクスチャーのファブリックとともに合わせられた。その異素材の組み合わせから生まれるデザインやフォルムは、前衛的なニュアンスを醸し出している。