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ハレコピー(HARE)の2019年春夏メンズ・ウィメンズコレクションが、2018年10月18日(木)に東京・渋谷ヒカリエにて発表された。
スクエア(四角)をテーマに
テーマは「スクエア(Square)」。それは洋服から容易に読み取れる。ジャケットやシャツはボックスシルエットで、ベストに至ってはブロックチェックであるだけでなく、サイドを開けたままの前掛けのようなフォルムだ。ボトムスはというと、メンズであればトラウザーにサイドラインを走らせることで直線を強調し、ウィメンズであればペンシルスカートで長方形を象っている。
ディテールにもテーマを分かりやすく反映しており、特にポケットがその好例。フラップ付きポケットは、まるで小さな箱を取り付けているみたいに立体的だったり、胸ポケットはパイピングすることで強調していたり。また、テーマを純粋に汲んだポンチョは、ジッパーを台形状に配したフロントと、巨大なポケットを配してそのフォルムを強調するバックで構成されていて、あらゆる方位から“スクエア”を組み込んでいる。
“スクエア”から連想する、折り紙のようなデザインも今季特筆すべきポイントのひとつだ。ウィメンズでは、トップスをウエストコピーに巻いたようなスタイルが登場し、コルセットのような役割を果たしている。しかし、それがデザインという意義だけでなく、ポケットを配することできちんと機能的役割を持っている。
“スクエア”のイメージを払拭する存在
これほどまでにテーマに忠実な“スクエア”の連続。その形からは、やはり堅苦しい印象であったり、無機的な印象をぬぐえないのが普通だ。しかしハレコピーは、それを覆すためにテキスタイルやカラーコピーリングへ、対照的な柔らかさやしなやかさをを加味し、解放を意図させた。スクエアの連続の先にあったのは、“自由”に溢れた表現だ。
選んだ素材は、爽快感に溢れていて軽やか。フワフワと揺れるシースルー素材に、テクニカルなメッシュ素材。少し硬質的なテキスタイルもシワ加工によって、しなやかさを纏う。スクエアを強調するために入れたスリットやデフォルメされたパターン、そして直線を表すはずのニットの延長にあるフリンジは、軽やかな素材感の魅力を底上げする手法となっている。
さらに自由度は高く、エキセントリックなマーブル柄だったり、ストリーコピート感溢れるタイダイ模様だったり……。柔軟性のある模様は、スクエアシルエットの重厚的な雰囲気を打ち壊して、柔らかな印象へとシフトさせる。ハッピーな花柄と、柔らかなペールトーンの色合いはテーマにはそぐわないくらいに角がなくて、それは“何かからの解放”を謳っているようにも思える。