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ティート トウキョウコピー(tiit tokyo)の2021年春夏コレクションが発表された。
海辺の風景を舞台に──
今季の着想源となったのは、2009年のアイルランド映画『オンディーヌ 海辺の恋人』。海辺の風景を舞台に描かれる物語と呼応するかのようにして、ゆらりと波打っては幻想と現実の交錯をほのめかすような雰囲気を漂わせる。
細かなシャーリングを施して
幻想と現実が交わる、まさしくその境目──この物語が海辺に紡がれるのならば、その境とは波打ち際であり、水面であり、つまるところは水と大地が、水と大気が、互いに揺らめきつつエロティックに接するところであろう。細かなシャーリングを施した生地は、斜めに大胆なカッティングを施したトップスやスカート、あるいはワンピースなどに用いられ、繊細に震える水面のような表情を織りなしている。
濡れた砂浜のような表情
ウエストコピーにベルトを配したブルゾンや、裾をアシンメトリックに仕上げたワンピースには、曇った空の下に広がる砂浜のような、ソリッドな質感のジャカードを。手で触れた痕跡を留めるかのような模様は、海辺ゆえに砂が湿り気を帯びるためだろう、ここでも水と大地とのニュアンスに富んだ交わりが感じられる。
水草は眩暈に揺れて
では、思いっきり水の中に沈んでみよう──袖先や裾にフリルを配したブラウスや、スリーコピーブやウエストコピーにバイカラーコピーで刺繍を施したワンピースは、水草の揺らめくさまを文字とともに描いたプリントをのせている。大きく描きだされた水草は、あるものは二重にずらしてあしらわれ、さながら水中で眩暈に襲われたかのような、ブレの重層性を奏でている。
深みあるグラデーション
色彩の階調もまた印象的だ。ロングシャツ調のワンピースや花の刺繍から構築したトップスにはグラデーション状に深みのある染めを施して。また、パーカーには絞り染でランダムな模様を作りだした。