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タークコピー(TAAKK)の2021年秋冬コレクションが、2021年2月8日(月)に東京・池袋の自由学園 明日館にてランウェイ&プレゼンテーション形式で発表された。
ファッションショーの原点に立ち返って
今季のタークコピーはショーに先駆けて、フォトグラフで新作コレクションを初披露。それに追加する形で、今回のランウェイショーを実施した。
ショーはデザイナー・森川拓野の解説と共に進行される。「ファッションショーの原点とも言える、かつてのオートクチュールのコレクション発表体系に立ち帰ってみようと思いました。デザイナーである自分の意志を直接皆さんに伝えられたら。」と語る森川が、登場するモデルが纏う洋服たちを、自身の言葉で丁寧に解説していく。
“夢”と“現実”の狭間を表現した服
シーズンコンセプトは“夢”。コレクション全体を通して“夢と現実の矛盾した状態”“夢と現実の狭間”を表現した。夢の中で見た世界、現実とは異なる違和感といったイメージを洋服に落とし込んだという。
ウールからナイロンツイルへと変化するテーラードMA-1や、上下のパターンが溶け合うように一体化したブルゾン、重量感のあるビジュアルでありながら実は軽量なコート...様々なアイテムに異なる要素の共存や矛盾を感じさせるポイントが顕在している。
また、スイッチやパッチワークといった既存のメソッドではなく、コンセプトに沿った“淡さ”や“曖昧さ”をより忠実に表現するために考え抜いた織り方でデザインを構築しているのも注目すべき点の一つだろう。森川の「境界線の無い変化を意識した」という言葉通り、コンセプトイメージを孕む全てのアイテムには“自然な”変化が反映されている。
世界中の花々を敢えてピントを外して撮影することで“夢の景色”を再現したフォトプリントのシャツやトップスもアイコニック。カラーコピーやアマリリスといった鮮やかな色彩を持つ花々のぼやけた姿は幻想的なムードを醸成する。
新たなスタイルの提案
コレクションの中では、独特なショート丈のトップスやタックインが出来るジャケットなど、構築的なアプローチを用いたピースによる新たなスタイルの提案も。ありそうでなかった洋服で作り上げたスタイリングはどれも新鮮で、洋服の新たな可能性を感じさせてくれる。