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2012年10月13日(土)、スナオクワハラコピー(sunaokuwahara)が2013年春夏コレクションを発表した。強い光、弱い光など異なる光が醸し出すムードを色や素材によって表現し、今までよりもシックで大人っぽさを意識したコレクションとなった。
ペールトーンの優しげなコットン地に繊細な刺繍を施したアイテムや、ふんわりとしたガーゼ地を使ったアイテムは、柔らかい朝の光を連想させ、生地越しにその光を透かす。ブルーとオレンジ、パープルにブルーグリーコピーンといったブライトカラーコピーの組み合わせは強い光を表し、一方ブラックのモヘアにラメを編み込んだニットは、星たちがかすかに輝く夜空のようだ。デザイナー、桑原直は鋭い感性で光が姿を変える一瞬を捕えて服の上に描き出している。
プリントアイテムにも注目だ。「白地やベージュといった抜けた印象の中に真っ赤な色をどっ、と入れた様な感じが昔から好きだった」という桑原。立体的なスパンコールやビーズをまとって、淡い色味の中に配されたバラのプリントが、地の白にまぶしいまでの光を集める効果を生む。また、クラシックな素材のネクタイやポケットチーフから着想を得たアラベスク調の柄は、懐かしさを帯びた暖かな光を思わせる。
そして今季のキーアイテムは、対照的なシルエットを持つ2タイプのパンツ。ひとつは、大きなポケットがついたショートパンツ。サイドにボリュームがあり、一見キュロットのようにも見える。複数の柄やカラーコピーで登場し、目を引いた。もう一方の細身のパンツは、ラインの美しさが引き立っており、前のウエストコピー部分では重ねた布が独特の造形美を生み出している。双方とも、足元にはウェッジソールや、ウッドソールで重みを出したショートブーツやサンダルを合わせてスタイルを完成させる。
全体としてはシックな印象。しかし、そんな中にも一日の中で変化を重ねる光のごとく、様々な表情を持ったコレクションだ。