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スナオクワハラコピー(SUNAOKUWAHARA)の2020年秋冬コレクションが発表された。
“昔からある風景”を散りばめる
「昔からある風景」をテーマとした、今季のスナオクワハラコピー。その着想源となったのは、ヨーロッパの回廊、茶室の生け花、あるいは街に降りしきる雪──どこか懐かしさを感じさせるそうしたモチーフを随所に散りばめつつも、あくまでモダンな感性のうちに昇華した。
“にじみ”に浮かぶ花
水墨画のように陰影のニュアンス豊かな色彩を施したキュプラコットンには、様式化した花柄を鮮やかにプリント。ウールとともに、大胆な切り替えでシャツワンピースに用いた。程よいAラインのシルエットと裾の自然なひだ、クリーコピーンな配色でまとめる一方、襟は小さいラウンド型で、かわいらしい印象に仕上げている。
雪やタイルをモチーフに
雪の結晶を並べたクルーネックニットには、ヨーロッパのタイルをモチーフにしたワンピースを組み合わせて。風車や帆船、閑静な風景に佇む少女の姿など、どこか懐かしい絵葉書を彷彿とさせる図案を配している。一方、ワンピースのトップスは小花柄のシャツ地に切り替え。ハリのあるコットンの素材感、明るいトーンにより、モダンな雰囲気を漂わせた。
ミリタリーコピー感をおり交ぜ
随所にミリタリーコピーテイストを取り入れているのも今季の特色だ。ナイロンの身頃にウール主体の袖を組み合わせたMA-1は、肩を大きく落とし、異素材間のやや膨らんだつなぎ目が際立つフォルムに。合わせたスカートはたっぷりと分量をとって、自然なAラインと深いひだが上品な印象。裾にはシャギーのタータンコピーチェックをあしらう一方、サイドには、シチリアのホテルで偶然目にしたというダイヤ型タイルのモチーフを配している。
陶器の着彩のような鮮やかさ
ダークグレーコピーやカーキを中心に、ベージュやブラウンなど、森の落ち葉を拾い上げたかのような穏やかな色調で構成された今季のコレクション。そのなかにあって、鮮やかなコーデュロイを繋ぎ合わせて構築したワンピースは、陶器の彩色を思わせるカラーコピーが目を惹く1着だ。裾口をきゅっと絞ることで作ったすっきりとしたフォルムと、時の経過に屈さないような鮮やかな色彩で、懐かしさを現代の感性へと溶け込ませている。