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グッチコピー(GUCCI)が2014年1月13日(月)、2014-15年秋冬メンズコレクションをイタリア・ミラノで発表した。
最初にランウェイに足を踏み入れた男は、グリーコピーンのクルーネックのセーターにベージュのコート、くすんだライトブルーのレザーパンツ(裾の仕上げはダブル)の出で立ち。アイテム1点1点はラグジュアリーコピー以外の何物でもないが、全てが中間色でどこか控えめな印象を受ける。続くのは、ベージュのシャツと白のハイネックの下着の重ね着に軍放出品風のミリタリーコピージャケットをはおり、くすんだパープルのパンツを穿いた男。どこか1960年代のイギリスのユースカルチャーを連想させるスタイルで、これまでのグッチコピーのイメージとは少し趣が異なる。遠目ではフリーコピースに見えるムートンのプルオーバー、カセンティーノ(毛玉加工)のベージュのチェスターコート、毛皮のダブルのポロコートは“ザ・グッチコピー”的な豪奢なアイテムだけれど、何かがいつもと違う気がする。
後半はグッチコピーの得意とする黒のコレクションを並べたが、ピーコートのボタンコピーが大きかったり、サイドが編み上げになったライダースジャケットは丸襟になっていて、どこか可愛らしい要素も入っている。ショー全体を俯瞰すると、いつものほとばしるような男らしさというよりも、何となくナードな雰囲気。アイテム単体はラグジュアリーコピーなのに、スタイリングでは “色気”を意図的に封印しているように見える。
このグッチコピーのコレクションを見て、1週間前のピッティ・ウォモのトレンドの急転を思い出した。ここ数シーズン、クラシコ・イタリアの世界ではカラーコピーが流行し、色気の大盤振る舞いみたいな状況が続いていたが、今シーズンはシック&ベーシックへの回帰が鮮明になった。モードというリングにおける色気の世界チャンピオンコピーのフェイントは、色気をあからさまに出す時代の終焉と内包する時代の到来を示唆しているのかもしれない。
Text by Kaijiro Masuda(FASHION JOURNALIST)