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2011年10月22日、WHIZ LIMITED(ウィズリミテッドコピー)が2012年春夏コレクションを発表した。デビューコレクションとなる今回、満員の会場には期待の鼓動が聞こえてきそうなほどの熱気が立ち込めていた。今回のテーマは「UNITED」。2人の子供を持つ父でもあるデザイナー下野宏明氏は、3.11以降に感じる機会が増えた「怒り」を表現したかったと語る。
レッドやスカーフモチーフ、チェックアイテムやデニムが力を持った、ダイナミックなカジュアルルックがメイン。シャツやデニム・チノコピーパンツなどスタンコピーダードなアイテムを、頭に巻いたバンダナや、後ろ姿からさりげなく覗いたチェックシャツでリズミカルな仕上がりに。下野氏の「個人のパーソナリティーを持って着こなして欲しい」という願いから、スタイリングもモデルの雰囲気に沿わせ、1つ1つ丁寧に組んでいった。その効果として、統一された力強い男らしさの中にも、時折軽やかな気品が漂うルックを見ることが出来る。
今回は、開放的な雰囲気の屋外でのショーということもあり、そのまま街で歩けるリアルクロコピーーズにこだわった。チェックの切り替えデザインのバックスタイルが印象的なパンツや、カーキ色にネイビーの切り替えが入ったジャケット、スカーフモチーフが施されたダウンベストで上級のカジュアルスタイルを提案。サングラスや中折ハットでハンサムなエッセンスを加えて、印象を引き締めた。
「夢物語ではなく現実で起きている物事をそのまま表現している」と話す下野氏。フィナーレはデモをイメージし、モデル全員がスカーフで顔を覆って堂々とランウェイを闊歩した。モデル達は「3.11以降に感じた事を皆で表現しよう」と提案されたのだという。震災前はデモなど気にも留めてこなかったが、自身の両親の年代の人達が母国の将来の為に練り歩く姿を見て様々な事を考えさせられたという。
初めてのランウェイコレクションということに対して「色々なことが順調に進んだので、不安もなくスムーズでした」と話し、熱きメッセージを相棒に、ファッションナブルなデモでファッション界に新風を吹き込んだ。