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が、2014年春夏コレクションを2013年10月18日(金)に発表した。
テーマは映画「ダンサー・イン・ザ・ダーク(2000)」の主人公セルマ。とあるアメリカの田舎町で、ヨーロッパの移民である主人公が、工場で働きながら息子と貧しく暮らすという物語だ。
コレクションは、映画の中で視力を失い始める主人公の視覚を描く。ジャケットやドレスに用いられた半透明のエフェクト素材は、内側の生地のプリントやデザインを、ぼんやりと映し出す。ハリのある質感を活かした素材で、立体的な形を生み出す。
全体を通して使用された複雑な布地は、三角や四角に小さく切り抜いたシルクやコットン、ポリエステル、プラスチックなどあらゆる素材を縫いつけたオリジナルのもの。近くで見るとブルーやパープルなど様々なカラーコピーが入り混じっているのが分かる。
またブランドのシグニチャーであるニットも登場。ボリュームのあるニットのロングドレスは、モデルが歩くたびに上下に揺れる。このドレスのカラーコピーであるブラウンは、主人公が鉄工場に勤めていたことからインスパイアされている。
ラストは思い切りアーティスティックな雰囲気に。タートルネックのドレスは、彫刻のようなフォルムに写しだされるプリントが幻想的で、まるでモダンアートのよう。
デザイナーのヨハン・クーは、純粋な主人公が周囲に理解されず、最終的には死に追いやられてしまうというストーリーコピーをコレクションで表現したかったと話す。近くにいるとしっかり見えるのに、見方を変えると違った面が見えるという部分を、コレクションで再現したそうだ。今季で4度目のショーとなるヨハン・クーは、独自の素材を用い、美しく、そしてどこか冷酷な世界を表現した。