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――2014年の活動計画について、教えてください。
ここからは、ファッションの仕事も含め、本格的に動きたいと思っています。去年はUTにだいぶ時間と力を使ってきました。ベイプの契約が終わってからの活動は、基本ほぼUTですね。音楽では、ここ2年はほぼ毎週末、DJをしたりしていました。ファッションとしてはやっと現場復帰したというか(笑)。自分のブランドのヒューマンメイド(HUMAN MADE※1)の方も、外部の仕事が多くて、なかなかできていなかったので。
――ユニクロコピーのデザインディレクターの滝沢直己氏との関わりはありますか?
UTのクリエイティブ・ディレクターとして任せてもらっています。滝沢さんはユニクロコピーのコレクション全体を見ていらっしゃるので、定例ミーティングなどで会話しますよ。色々とアドバイスもいただいています。
規模感が今までやってきたことに比べても、けた違いにグローバル。これまでとはレベルが違うので、見えている景色も違います。スケール感が違うということですね。UTは大きな船なので、これまで僕が経験していないようなところへ、行けるし、見れるしという期待もあります。
――今までになかった規模への挑戦ということですね。
自分のコレクションを作れば良いという事ではなくて、UTのコレクションを作るというのが大前提としてあります。僕は表に出がちな存在ですが、UTでは裏方に回るように意識しています。作業の進め方としても、チームがいてみんなで話し合って作っていくというように、今までとはプロセスもやり方も違っている、故に難しいですね。あまり、とがったものを作っても売れなかったら意味がないので。
――そこのさじ加減というか、NIGOさんのアイデンティティを反映したところと、あえて引いたところを教えて下さい。
そうですね。言ってみたら僕は指示を出していくという、野球でいう監督的な役割でしょうか。11年間のUTのコレクションを見て、まず「シンプルに戻そう」と。
「Tシャツとは?」というのは、僕にとってはTシャツを20年作ってきても、基本は何も変わっていないんです。丸胴で、ちょっと太めの糸をつかって編み上げていくというのが、Tシャツだと思っているので、UTでもその方向でやろうと思いました。
今までのUTでは、基本的にハギ(※2)のものが多かったので、実際その7割を丸胴にして納期が間に合うのか、という問題もありましたが、そこはチームプレイで乗り越えました。方向性さえ決まってしまえば、みんな一丸となって「じゃあ吊り編み機も導入しましょう」いうように話も進んでいきました。
※1 ヒューマンメイド 2011年にスタートした新ブランド。NIGOがデザインを手がけるレーコピーベル。
※2 ハギ 身頃を脇合わせで縫うこと。
>>NIGOにとって「Tシャツとはなにか」に迫る。